ルーマニア マラムレシュ

2013年6月16日17日
宮地夫妻とウイーンで4日間過ごし、ハンガリーで1泊して翌日から車でルーマニアに向かった。日本へ帰国のY.Midoriさん、N.Iseさんと4人旅。
マラムレシュはルーマニア北西部、ウクライナと国境を接している。豊な森に囲まれた村々では伝統的な農業や牧畜が営まれ、民間伝承の古い生活様式が残され、いわゆる田舎の良い所が未だに残っている。車はあるものの、馬車がメインの交通機関。住民は今だに小川で洗濯したり、野菜を洗ったりしている。自然が汚されず残っている証である。各家の前にはベンチが置いてあり、夕方ともなると近所のおじさん、おばさんが語り合ったり、お酒を飲んでいる風景に随所で出会った。初対面の我々にもパーリンカを勧めてくれた。それがこの辺りの旅人に対するもてなしのようだ。夕涼みや縁台将棋を楽しんだ日本の下町の風景を思い出させるものだった。ヴァルトミューラーの描く1800年代のウイーンの森の庶民の生活を彷彿させるものだった。







<陽気な墓>
最初に訪れたサプンツァ村にあるユーにークで人気のあるスポット。墓標が鮮やかな色=青が主体=で彩色され、墓に眠る故人の生前の生活や職業、趣味、重要な出来事、時には亡くなった経緯などが刻まれている。写真つきもある。1935年に木彫り職人の青年スタン・イオン・パトラッシュ氏が始め、彼が他界した後も弟子達に引き継がれ、今も続いている。






墓地の裏手300mにはパトラシュの家があり、その一角は息子が開いた記念館と墓標の制作工房になっている。




<Pensiunea La Gorgan Vadu Izei>
片田舎のVadu Izei村にあるペンション。とも角安いのでびっくり。4人x2泊x2食付きが150ユーロ。ペンションの前は牧草地が広々して、川や池に囲まれている。部屋はマラムレシュの刺繍や敷物で飾られたログハウス。村人が川で絨毯を洗う様子や、夕食をとりながら牧草地での干草作りを見ることができた。Ireanaおばさんのご主人息子さんは大工。マラムレシュの門を作成していた。イタリアからの注文で、完成したら解体してイタリアに運んで再構築するそうだ。





<木の教会>
マラムレシュには世界遺産に登録されている木の教会が8箇所ある。今回はBarsana村の生神女進殿聖堂 Budesti村の聖ニコラス聖堂 Sisesti村の聖大天使聖堂を見学した。これらの教会の大きな特徴は釘を全く使わず、木を上手に組み合わせてあることだ。正倉院の校倉造りと似た工法であろう。内部の壁は宗教画で飾られ、床にはマラムレシュ地方の敷物や羊の皮が敷かれている。