かつての職場の先輩を訪ねてーー日本滞在記録

2010年4月20日
瀬戸市菱野団地の一角にあるH野さんのお宅にお邪魔した。
H野さんは中日新聞で同じ職場で過ごした先輩。
一緒に携わった「アリステード・マイヨール展」「ギュスターブ・モロー展」「メソポタミア展」「木喰展」「幕末維新展」などの展覧会は思い出深い。種々教えて頂くことが多かったものの、時には意見の違いから論争することもしばしば。
私的にもよく飲み歩いたり遊んだりさせていただいた。筆者の長男と彼の長女が年齢的に近いこともあって志賀高原に一緒にスキーにも行った事がある。
思い出話の中、H野さんが見つけてくださったのが「木喰彫刻展」のパンフレットであった。
筆者27歳の時手がけた展覧会である。
1966年6月、名古屋名鉄百貨店で名古屋近辺の木喰彫刻、掛け軸、関係資料90点を展示したもの。
展示作品は愛知県、静岡県山梨県、長野県、京都府兵庫県の神社、財産区、博物館、それに個人の収蔵家から借用した。






岡谷市長地中屋区蔵「拝滝不動尊蔵」は思い出深い。この作品は秘仏で白布で覆われていた。この作品を借り出すために何度か岡谷を訪れ、多くの関係者に頼み込んだものだ。
下諏訪町慈雲寺蔵の「阿弥陀如来像」も思い出深い。木喰の最晩年(当時)の作品でこの展覧会がきっかけで見つかったもので、木喰の足跡を知る貴重な資料となった。