鈴木夫妻 ハンガリー一週間の滞在記録 No2

2009年8月3,4,5日 ウイーン観光
8月3日
Csomorから郊外バス、地下鉄を乗り継いでブダペスト東駅Budapest Keleti Pu.へ。
ブダペスト発11:10 列車は空いていて座席はゆったり。料金は往復列車代+ウイーン市内交通機関4日間乗り放題で8525フォリント(約4500円)車内で日本からの観光客夫妻と暫し歓談。ブダペスト、ウイーン、プラハを約1週間で廻るとか。多くの日本観光客のパターン。もう少しゆっくり休暇が取れないのだろうか。
鈴木さんを案内して食堂車へ。冷えた白ワインで暫し歓談。食堂車で白ワインは列車旅行の時のいつものパターン。旅の実感が沸いてくる。
14:05ウイーン西駅Westbanhof到着。徒歩でThe President Hotelへ。約10分。このホテルは「ホテル直前価格」のサイトで予約したが、なんと正規料金の三分の一。客室数50ほどのこじんまりしたホテル。
テルチェックイン後市内観光へ。シュテファン寺院Stephansdom、聖ペーター教会Peterskirche アウグスティン=陶器専門店=を見学。


17:30地下鉄でハイリゲンシュタットHailigenstadtへ。H山夫妻、彼らの友人の姪御さんと夕食の待ち合わせ。
ハイリゲンシュタットはベートーヴェンが弟にあてた遺書を書いた場所としてその名が知られており、この町にはベートーヴェン縁の家や場所が今でも残されている。現在はウイーンの高級住宅街で瀟洒な邸宅が軒を並べている。
向かったホイリゲレストランはこの住宅街の一角にあるHengl hauselblunner。観光客は余り訪れることはなく、ウイーン子の集まるレストランだ。
冷えた白ワインで乾杯。料理はセルフサービスになっていて、自分でビュッへカウンターで見繕って席に運ぶシステム。肉やソーセージの盛り合わせ、サラダなど注文。ワインもいつか白から赤へ、大いに飲み、食べ、話した4時間だった。

8月4日
生憎の雨もよう。ヨーロッパでは雨になると気温が一気に下がる。天気の良い日に比べて10度ー15度低くなる。雨の上高地を想像すればよい。それでも雨をおして地下鉄でSchoenbrunn宮殿へ。ウイーンを代表するスポットとあって入場券を買うのに20分の待ち時間。庭園は雨脚が強くゆっくり見学できなかった。


昼食後レオポルド美術館へ。然し火曜日が休館日。再びトラムでSchloss Belveereベルヴェデーレ宮殿へ。ロマン主義、古典主義のオーストリア絵画、クリムト、シーレなどのウイーン世紀末の画家の作品など鑑賞。
その後はトラムと徒歩で名所めぐり。国会議事堂、市役所、ウイーン大学、美術史博物館、王宮などを巡る。
夕食はアルベルティーナ地下Augustinerkellerアウグスティナケラーへ。修道院ワインセラー改造したものでワインを飲むには絶好の雰囲気。コンソメスープ、ミックスサラダ、豚のすね肉丸焼き2人前を注文。4人で2人前を平らげることはできず半分は持ち帰った。(ホテルの冷蔵庫に入れたままハンガリーに帰ってしまった)
8月5日
地下鉄、トラム71でヴェルベデーレ下宮へ(上宮のオーストリアギャラリーとセット券を購入)
ヴァルドミューラー展Waldmueller展鑑賞。2日、ホイリゲレストランで食事した時H山夫人がWaldmuellerに出会った経緯などをお話頂き興味を覚え改めてWaldmueller展再鑑賞となった次第だ。
H山夫人とWaldmuellerの出会いは23年前1985年のこと。商社勤務のご主人がウイーン駐在になったことから、美術館に通じておくのが客人の案内上必要な第一歩として美術館巡りを始められた伺った。H山夫人が衝撃と感動した作品はベルベデーレ宮殿上宮で観たWaldmueller「ウイーンの森で薪を集める人」だった。
今回改めてこの作品をじっくり鑑賞することにした。
ウイーンの森を背景に5人の人物が描かれれている。老婆の表情は過酷な薪集めで疲れきっている。傍らで娘か孫娘が「大丈夫?」というように老婆を覗き込んでいる。白樺の木の左側に3人の子供が描かれている。手前の紅い布を被った女の子は真剣なまなざしで枯れ枝を集めている。その後方では男の子と女の子が薪を背負ってなにやら楽しそうだ。きっと恋人同士なのだろう。老婆以外は皆裸足。靴を買ってもらえないほど苦しい生活だったのなのだろうか。当時のウイーンの森で暮らす人たちの生活の一端が見られる作品である。この作品は同時に筆者の小学校時代=第二次世界大戦後=の日本の田舎の生活を思い出させる。ガスのない当時、薪集めは老人や子供に課せられたきつい労働だった。貧しい当時靴を履いている子供は少なく、多くの子供は藁ぞうりで歩いていたものだ。

美術館を後にして、地下鉄、トラム、徒歩で市内見学。
西駅から列車でブダペストへ。短い三日間のウイーン観光は終わった。